− 4/30(火) −
ドル円は160円前後でピークの可能性
AI相場はまだ初動
日経平均は、3月22日につけた高値41087円から、4月19日には36733円まで下落しました。4354円幅、11%の下落です。
そして、4月19日安値36733円からは反転し、本日30日前場の時点で38300円台まで回復してきています。1600円幅、4.3%の回復です。
日経平均の25日移動平均線は下降トレンドで現在39000円程度となっています。日経平均は、とりあえずこのあたりの水準までは戻す可能性が高いのではないかと思います。
最終的には高値を抜いて上昇トレンドに戻していくと思いますが、短期的には25日移動平均線からいったん押し戻されるのかどうか、少し見極めが必要なところです。
いずれにしても、中期的にはAI関連株をリード役とした上昇トレンドはまだ初動に近い段階である、というのが私の見方です。前回もデータを確認しましたが、過去のデータに照らすと、今回の上昇相場はまだ4分の1程度しか進んでいないと考えられます。
そうした考えから、私自身、今回の株価の下落場面で、また少しAI関連株を拾いました。
ドル円は160円前後がピークか
ドル円について、私は、「2022年につけた高値1ドル=151円をピークにして、円安バブルがはじけ、120円くらいまで戻すのではないか」と述べてきました。
2023年1月には127円まで戻しましたが、そこからまた円安が進み、この週末には160円に達してしまいました。
151円ピーク説は間違いでしたが、160円がピークになった可能性は高いのではないかと考えています。そして、今後は中期的に120円程度を目指す展開になるのではないかと予想します。
ドル円が160円がピークとなったのではないかと考える理由は、
@購買力平価が108円
A6月から主要各国で利下げが始まる
B160円近辺から為替介入が始まった
の3つです。
購買力平価は物価水準から考えて合理的為替水準です。現在のいびつな円安により、海外物価と国内物価は非常に大きな開きが出ています。こうしたいびつな状況は長くは続かないと思われます。物価面から為替水準に訂正圧力が働くようになるのではないでしょうか。
また、6月から、欧州、英国、カナダ、豪州で利下げが始まる可能性が濃厚であり、おそらく、米国もこの流れの中で利下げに踏み切る可能性が高いと思います。
日本は逆に利上げを模索する局面になっており、こうした金融政策の動きが取りざたされると、円高に向かいやすくなると思います。
そして、160円近辺からドル売り・円買い介入が始まった可能性が高いです。
過去振り返ると、日本の財務省による為替介入は大きな成果を収めています。過去の為替介入の結果生じた外貨準備は約270兆円という先進国随一の巨額に及び、このうち60兆円近い含み益を抱えています。この巨額な含み益が、財務省の為替介入の巧妙さを示しています。
2022年には150円近辺からドル買い介入を行いましたがこの時にも20円以上押し戻しました。この時は合計で9.2兆円規模の介入でした。
今回も、270兆円の外貨準備を原資として、断固として介入が行われると思います。やはり、20円程度円高、つまり140円程度まで押し戻される可能性が高いのではないかと思います。
140円でも十分な円安水準であり、インバウンド需要は続くと思われますし、輸出産業が潤う状況も続くでしょう。
一方、円安で苦しんでいる事業者は一息つける水準だと思います。
こうした円高に向かう動きは株価には一時的に上昇阻害要因になるかもしれませんが、中長期的にみると健全な株価上昇につながるのではないかと思います。
<注意>
この原稿は、筆者が運用で勝つための戦略を探るアイデアを模索している過程取り急ぎを記したものです。注目株として取り上げている銘柄、その上値目標などについても、あくまでも筆者が個人的な運用において注目している株、メドとしている目標株価であり、推奨ではありません。読者の皆さんが投資される際には、これをあくまでも参考として、最終的にはご自身で吟味して投資していただくようにお願いします。
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